20.“たいふう”がやって来た
タマの世界征服
 
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  20.“たいふう”がやって来た
 

縁側で寝いたタマ。強い風とぱらつく雨が吹き込んでくる。

「もう中へ入ろう。“たいふう”はいつくるにゃ?!」

外も薄暗くなりかけると、雨も強く振りはじめた。ママがあわててやって来て、縁側の窓を締めはじめた。

「今日は、雨戸もしないとね。」

そう言いながら分厚い板を横から引っ張りだしてきた。雨戸も締め縁側が頑丈にされた。

「そんなに怖い奴なのか、たいふうとは…」

タマは押入に逃げ込んだ。時間が経つほどにヒューヒューと強い風の音と、風が雨戸に当たるガタガタという音が激しくなってきた。

「音が大きくなった、風の音が怖いにゃ…」

今度は、ヒューヒューとガタガタに加え、雨音がバラバラといいだした。

「うるさい、お大きな音は苦手でにゃ。もしかして、外に“たいふう”が居るのか??」

思わず押入から飛び出して、タエちゃんがいる所まで走って行った。タエちゃんは、リビングでソファーに座りお菓子をほおばっていた。

「ニャ~!」

「あら、タマどうしたの?」

外の音が怖く、タエちゃんのひざに飛び乗り体を丸めた。遠くで響く雷の音にびくりとした。

「タマ、外の音が怖いのね。大丈夫よ。」

タエちゃんは、優しくなでてくれた。タマは思った、こんな時は守ってくれるタエちゃんがいて良かったのかなと。

「かわいいわね、タマ…」

そう言うと振り返って、

「ママ、写真撮っておこうかな~怖がっているタマ…」

「ニ゛ャァァァ――――」

写真は撮らなくていいから、と怒るタマだった。そして、とにかく早く“たいふう”が帰ってくれることを願った。

「いったいどんな奴だにゃ?」


                        
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